「仙術超攻殻 ORION」と私の武術観

 



私の好きな漫画家さんの代表として士郎正宗氏が挙げられます。 

「攻殻機動隊」「ブラックマジック」「アップルシード」などを私は読みましたが、今回は私が一番大好きな

「仙術超攻殻 ORION」

を題材に私が体認経験から感じることの一部を記そうかと思います。


さて、この物語の主人公は「セスカ」という女性で天台龍法という仙術流派の一人娘なのですが、これと対として蛇眼博士という悪役風の金剛龍法という流派を頭目らしき人物が中心となり物語りが進みます。 しかしまぁセスカさんはかなり煩悩に忠実でして物語進むとどちらが悪役だがわけがわからん様相となっては行きます。

さて、この物語で私が面白く感じるのはこの世界での「仙術」という思想・技術体系の一端が多く語られていて、その世界観を基底法則として話が進むところです。

さて、セスカさんのセリフでこの仙術体系を説明するセリフとして

「魂や想念や意味だけじゃなく物理存在も全て陰子と陽子の複雑な帰結だから仙術家は意志と物理を連結して扱えるの 今みたいに仮学のなかった時代には呪文や儀式だけで苦労した ・・・」

といった具合にこの世界を人々がどう捉えているかの一端が伺えます。


万物は陰陽で構成されこれを陰子・陽子と呼んでいる。(これは原子モチーフ)

この理論を体系を仮学と呼んでいる。(これは科学・化学モチーフ)

と言う事のようです、物語内では仮学を利用した仮学機械が多く登場しており、私が読んだ学生時代には「うぉーTRPG化してくれー」と卓を囲む友人もいないのに切望していました。まぁ調べりゃ何かしら出てくるかもしれませんが今回は言及しません。

物語ではセスカの父が蛇眼博士の壮大な計画の危険性を察知し物語中では金剛羅漢と分類される「降馬頭主 宿参ノ王」(オルバトウス スサノウ)を召喚し、蛇眼博士が仮学集大成である「九頭龍」(クトウリュウ)と対峙させます。 まぁこの辺から「あークトルー神話モチーフか!」とワクワクするわけです。

他に印象的なセリフとして、

「陰子と陽子の多彩な組み合わせで綱で、その複雑さを韻度で表しその結合強度を念度で表すのよ」

「力では韻念をバラせるだけで断ち切れないわ! 韻念をきるなんてのは仏質にしかできないってわかっている筈よ!」

「仮学機械なんぞで龍力が操れるか!!」
「天台の極大 金剛の極小 天台の極小は金剛の極大」

この辺のセリフから 韻念 → 因縁、物質→仏質、論理→龍力、などなど見事な言葉遊びがみられかつ色々妄想も捗る解釈する幅も含んでいて素晴らしい!と感じるわけです。




さて本題です。
私は現段階での武術を通して何をテーマとしているかという他者に簡潔(極めて大雑把)に伝えるために三層の説明をすることにしています。

第一層:天体情報 (引力、自転、地磁気、etc)
第二層:生体情報(自然環境を含めた生態系を私は指しますが、人体構造に絞っての解釈のほうが通りは早い気がします)
第三層:文化情報(その流派の成り立ちに関わる文化的背景情報)

と、この三層をテーマとして説明しています。

この辺をのことを前述で紹介したORIONでの世界観に当てはめるのは一つのお遊びとして面白いし、わりと上手いこと自身でははめ込むことも出来ると感じているので殊更です。
士郎正宗氏が漫画家としてどういう知識を持って世界観を構築するかは図りしれず驚嘆の一言ですが、ささやかながら対抗意識を燃やすとすれば「俺は体認ベースだぜ!」と内心で蟷螂の斧を振り上げたりしています。
以前にグレッグ・イーガンの小説を読もうとして「駄目だついていけんw」と諦めたことがありますが、こういった方々の発想力は凄いよなぁと。

そのうち気が向いたらORIONをベースとした私の武術観についてお遊びとして記そうとは思っています。

いやーホントすげーよなw

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