鏡雲流②

 





1. 鏡雲流三相観

構造:「武術」(体認性)「道教」(思想性)「波形三相」(法則性)の三位を包含する観。

役割:鏡雲流全体の基底的な枠組み。

武術 … 身体性を通じた実践と体認。

道教 … 宇宙論・宗教観を通じた解釈と変数性。

波形三相 … 体認を普遍化するための定数的構造。

・ 鏡雲流で稽古要素として組み込まれる武術

  ・ハワイアン八卦掌、東南アジア武術(17Flowers)、意拳(王向斉、韓氏)、形意拳、太極拳、心行刀流、民弥流、酔拳

・ 鏡雲流で定義される用語

 ・ 通底愛 … 鏡雲流で言及される三相通底を体認観覚として持つ愛 α個体に必須

 ・ 幽圏 … 通底愛から展開される波形空間

 ・ 清勁(居合)

   ・澄み切った出力(過不足の無い出力)

   ・意と形の一致

   ・明晰、剛、張、直線

   ・最短距離

 ・ 濁勁(酔拳)

   ・滓を含む出力(いい加減な出力)

   ・意と形のズレ

   ・曖昧、柔、溶、曲線

   ・目的を包み込みながら到達



2. 波形三相

構造:「天体相」「自然相」「人為相」の三位。

役割:鏡雲流における定数的な普遍構造。

天体相 … 天体運行や宇宙規模の秩序。

自然相 … 生態系や環境の秩序。

人為相 … 人間社会や文化の秩序。

特徴:どの文化変数(宗教観・武術体系)にも依存しない共通基盤。


3.鏡雲流数意


波形三相を支える数理的定数(0〜9)

0 空意:実態も時間も無い。体認の外側。

1 本意:混元。命名以前の実態の象徴表現。 道教での道。

2 律意:陰陽。律動・法則性の萌芽。 命名後の体認。 左右観。 自転。

3 閾意:体認の壁。個数認知表現の限界点。概念へ向かう扉。

4 地意:二次元的体認。方位。 地磁気と自転の混濁体認。

5 理意:五指を利用した数理の萌芽。 人為相の萌芽。

6 場意:三次元的体認。方位と重力の混濁体認

7 象意:象徴・神性解釈の萌芽。体認や数理の外から降りてくる指標。北斗七星の象徴性。運気解釈の祖。

8 包意:純概念性(無限)への扉。陰陽八卦、二進数、デジタル表現への流れ。方位の狭間を埋めた混濁体認。

9 未来:未定。体認の外にあり、次の桁への橋渡し。AIやシンギュラリティとも響く。


👉 通底したものは「意」

👉 通底を欠くものは「檻」

(つまり意と檻はそれぞれ「秩序」の別側面の解釈であり、違いは通底性の有無にある)




三要素の関係まとめ

鏡雲流三相観 … 全体を包摂する観。

波形三相 … 普遍的な定数。

鏡雲流数意 … それらを数理的に整理・象徴化する秩序。


言い換えれば:

「武術」と「道教」は変数。

「波形三相」は定数。

「鏡雲流数意」は、それを結ぶ 言語/数理の秩序

そして三者を統合する上位の視座が「鏡雲流三相観」。


4.鏡雲流六謝

六謝がそれぞれ「エロス(自然相)=衝動・駆動力」と「アガペー(天体相)=抑制・秩序」の呼吸運動を核に持っていて、その均衡の取り方が概念ごとの特徴を生んでいる



「エロス(刹那の駆動力、自然相本能由来)」を主とし、「アガペー(未来予想から来る抑制、天体相法則由来)」を従とした呼吸運動。

ただし「人為相」においては両者が影化(物語化)され、しばしばどちらかに偏る(性愛に偏る宗教、禁欲に偏る宗教など)。

数意の「2 律意」はここで直接的に現れている。

  ・ 武術体認(個体、刹那)との親和性


祈り

 • エロスが「生の衝動としての叫び」が従となり、アガペーが「秩序ある形の祈念」が主として現れる。

祈りはその両者を「1本意→7象意→9未来」のプロセスにおいて昇華させ、外部へ投げかける行為。

→つまり祈りとは「エロスをアガペーに通して未来へ架橋する営み」。

 ・ 兵法体認(場[風水、地政学]、群れ[軍事]、未来予想[卜占])との親和性


魂のリズムは「エロス=生存・生殖の衝動」と「アガペー=時間を越えた天体秩序」によって刻まれる。

→「1本意→3閾意→9未来」の連続性も、エロスが“未来へ押し出す力”、アガペーが“核を保つ力”として働く。

 ・ 愛との親和性。

 ・ 波形三相通底感覚内の自然相由来の生体的衝動

 ・ 三次元性


自我

エロスが「群れの中での欲望や役割要求」として表れ、アガペーが「社会規範や言語秩序」として制御する。

→その間で「5 理意(萌芽)」が揺れ、4 地意と 6 場意に結ばれる。つまり自我は「エロスに引かれ、アガペーに律される場」。

 ・ 祈りとの親和性

 ・ 自然相生体的衝動内にある三相通底の影

 ・ 二次元性


素直さ

素直さは「エロス=自然な衝動を抑えず通す」と「アガペー=抗わず秩序に従う」が拮抗して透明化する状態。

→「0空意↔8包意」の通過とは、まさにこの二極が抵抗なく循環すること。

 ・ エロスとアガペーの均衡・通底

 ・ 波形三相の天体相からの積み上げた通底体認感覚


赦し

エロスが生む衝突・欲望の過剰と、アガペーが求める律・調和の間にどうしても“ズレ”が生じる。

赦しは、そのズレを矛盾として消すのではなく「両者の緊張を抱える場」を作る。ズレの許容。

→「7象意↔8包意」の接続は、この矛盾を象徴化して包むこと。

  ・ 鏡雲流三相観(体認性、思想性、法則性)でのズレの許容



対比構造として

愛と祈り(刹那と未来)

素直さと赦し(均衡と矛盾)

魂と自我(個体と場)


数意的として

愛(2〜6)、祈り(6〜9)

素直さ(0↔8)、赦し(7↔8)

魂(1→3→9)、自我(4↔5↔6)

コメント

このブログの人気の投稿

『混元八卦』の込めた想い

『普通の人』でいることの困難さ

私は何者か?